ガチカレー!x真心ブラザーズ桜井秀俊

「オレのカレー」

 カレー、たまに作ります。

 作ると決めたらものすごい気合い入れて。おびただしい時間をかけて。

 いくら気合いを入れて時間をかけて作っても、カレーという食い物は、食 べるのは一瞬。そう、飲み物であると表現する輩もいるほどに。

 なので、腐らせない程度に大量に作ります。

 だいたい、サッカー日本代表戦とかプロ野球日本シリーズとか、テレビの ゴールデンタイム放送で、生で観なけりゃ意味が無い試合があるときなん かに照準を合わせてのスケジューリング。

 その日冷蔵庫に余っているものをなるべく消費できるよう、メニュー(カ レーですが)を組み立てます。古めの野菜はスープを取る用途に。使いきれ ていなかった鶏ももがあればチキンカレーに、といった具合に。

 昼の買い出し。大量の玉ねぎを中心に、にんにく、ホールトマト、面白そう なスパイス等、足りないものを補充する感覚で買い物カゴへ。つまりそうで す、カレー粉という魔法の粉末こそ、大抵の食材をひとまとめにしてごち そうに変えてくれるという、食卓のヒーローだということであります。カ レー最強説。アンプのゲインをレッドゾーンにぶち込んじまえば、あとは ロックがなんとかしてくれる。そんなロックにも通ずるクールな粉末、カ レー粉。

 夕方ぐらいから缶ビールをぷしゅっと開けて、水中メガネをかけます。ん で、ひたすら玉ねぎの皮むき、みじん切り。切りも切ったり、ボール2 つ、多 い時は3 つ山盛りですよ。

 奥のコンロにでかい鍋。野菜に鶏ガラやら余った肉の切れ端やらぶち込 んでスープ取り。アク取りはこまめに。手前のコンロ2 つにダブルでフライ パン。油を敷いてボウルの玉ねぎをひたすら炒めます。

 このタイミングでテレビを点灯。お目当てのゲームの試合開始。

 ゲームを楽しみながら手はフライパン、ちょこちょこビール呑んで、目は テレビと手元を行ったり来たり。けっこう忙しく2 時間弱が過ぎてゆきます。

 試合終了時には、あんなに大量にあった玉ねぎの白いボタ山が、丼軽く 一杯ほどのテカテカ飴色オニオンに。

 これさえあれば、もう、勝ち。アルコールにより、強気。

 前に使って半端に残っていた市販のルーでも、粉のカレーでも、テキトー にブレンドすれば一期一会のカレーの誕生。ちょいちょい味見しながら、 ヨーグルトを足したり、飲み残しのワインを放り込んだり、健康のために 買ったけどあんまし飲んでいない野菜ジュースをじょばじょば入れたり。 こんなむちゃくちゃやっても、阿呆ほど炒めた玉ねぎの甘みとカレーのス パイスが、見事にすべてを調和させてくれる。これを魔法と言わずなんと 言いましょう。

 2日めのカレー、といいます。なるほど出来たてより、時間を置いたほう が、より魔法は深く効くようです。呑みながら作って、かつ時間も経ってい るわけですから、このうまい食い物の原料がなんであったか、作った本人も 覚えていない。でも、いいじゃん。うまいんだから。きちんと火を通して、明 日はカレーうどんでいただこうかな。なんて。

 でも、うっかり焦がしちゃうと、鍋全体が焦げ臭にやられちゃって大変。 気合いも時間も、一瞬のうち に水の泡。そのときの絶望感 たるや、筆舌に尽くしがたし。 幾度、救われぬ涙に枕を濡ら したことか。

 こまめに混ぜてあげてね、 くれぐれも呑みすぎ注意、俺。

真心ブラザーズ桜井秀俊のカレーのコラムcolumn2
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